毎日の丁寧なスキンケア、バランスの取れた食事、十分な睡眠。美肌のために良いとされることを一通り試しても、一度開いてしまった毛穴はなかなか元には戻らない。そんな風に感じている方は多いのではないでしょうか。なぜ、セルフケアだけでは毛穴の開きを根本的に改善するのが難しいのか。その理由は、毛穴が開いてしまうメカニズムの奥深さにあります。毛穴の開きの原因は、大きく分けて三つ考えられます。一つ目は、脂性肌に代表される皮脂の過剰分泌です。過剰な皮脂が毛穴の出口を常に押し広げている状態が続くことで、毛穴そのものが大きくなってしまいます。二つ目は、古い角質や皮脂が混ざり合ってできる「角栓」による詰まりです。角栓が毛穴に栓をすることで、物理的に毛穴を広げてしまいます。そして三つ目が、加齢などによる肌の「たるみ」です。肌のハリや弾力を支えている真皮層のコラーゲンやエラスチンが減少すると、皮膚が重力に負けて垂れ下がり、それに伴って毛穴も縦に長く伸びて開いてしまう、いわゆる「たるみ毛穴」と呼ばれる状態になります。このうち、皮脂のコントロールや角栓のケアについては、セルフケアでもある程度の効果は期待できます。しかし、それはあくまで肌の表面的なアプローチに過ぎません。特に、三つ目の原因である真皮層のコラーゲン減少による「たるみ毛穴」に至っては、化粧品が浸透する角質層よりもずっと深い部分で起きている問題のため、外側からのスキンケアだけで解決することはほぼ不可能です。ここに、美容医療が必要とされる本質的な理由があります。美容医療は、医療機器や専門的な技術を用いて、セルフケアでは決して届かない肌の深層部、つまり真皮層に直接働きかけることができるのです。例えば、ダーマペンやポテンツァは、微細な針で真皮層を意図的に刺激し、肌が本来持つ再生能力を引き出すことで、コラーゲンの生成を内側から促します。これにより、肌の土台が再構築され、ハリと弾力が蘇ることで、たるんで開いた毛穴が根本から引き締まります。また、フラクショナルレーザーは、レーザーで皮膚に微細な穴を開け、その部分の皮膚を新しく入れ替えることで、凹凸のある毛穴を目立たなくさせます。
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